資産バリュー投資において、大株主の把握は欠かせない。経営陣がどこをみて経営しているか、それはもちろん自分の会社!なのであるが、同時に株主に承認されて行動をしているのであり、誰が指図しているのか把握することはカタリスト発動の一つになるので確認は必要だと認識している。
大株主の記載は、
有報、CG報告書、株主総会招集通知で確認が可能。この情報により四季報も掲載していると思われる。
だが、四季報や有価証券報告書に記載されているのが実質でない場合もあるので要注意したい。
早速、こんな例を見つけたので、紹介したい。
銘柄は 4636 (株)T&K TOKA 。
まず、四季報の記載は以下のとおり。
株主数のあとに <17.3>とありますので、2017.3 現在の株主構成。
そして、大量保有報告書を確認してみる。とりあえず2017/11/27にありましたので確認。
http://www.kabupro.jp/edp/20171127/S100BTIR.pdf
あれっ?ダルトンインベストメンツ? そんなメンツは居なかったぞ?
直前の報告書は2015/12/15。
そこから保有してるではないか。
株を貸したのか?
なぜ大株主の記載に載らなかったのか?
そこで検索してみたところ、このような記事を見つけた。
○大量保有報告制度とは、上場会社に対する株券等保有割合が 5%を超える者(=大量保有者)に対して、「大量保有報告書」の提出を義務付け、株券等保有割合、保有目的、保有する株券等の内訳、取得資金の内容などの開示を求める制度である(証券取引法 27 の 23、株券等の大量保有の状況の開示に関する内閣府令第一号様式など)。
○株券等保有割合が 5%を超えるか否かの判断は、株券等の取得者単独ではなく、その「共同保有者」の保有分も合算して判断することとされている(証券取引法 27 の 23④)。これは、株券等の形式的な保有者を分散・細分化することで、大量保有報告書の提出義務を免れようとする行為を防止する趣旨と考えられる。
○法律上、「共同保有者」とは、(株券等の取得者と)共同で次の行為を行うことを合意している者と定義されている(証券取引法 27 の 23⑤)。
http://www.dir.co.jp/souken/research/report/law-research/securities/06102701securities.pdf
つまり、名義が同一でなくとも、保有割合は別の定義でカウントされるということになる。
もっと詳しく知りたい方は、
http://www.dir.co.jp/research/report/law-research/securities/20130311_006922.pdf
に、
・株券等保有割合の計算方法
の記載があった。勉強できます。
また、CG報告書や有報にも記載される場合もあるので、確認しておくと良いかもしれない。
ダルトン・インベストメンツ・エルエルシーから平成27年12月15日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)により、平成27年12月11日現在で以下の株式を所有している旨が記載されておりますが、当社として当事業年度末時点における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。同社の大量保有報告書(変更報告書)の内容は以下の通りです。
まとめ
・四季報だけでは株主構成はわからない
・大量保有報告書も見ておかなければならない
本日もお読み頂き、ありがとうございます。