ひばり@中長期投資

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中野冷機 企業調査

中野冷機について企業研究してみる。

 

冷凍や冷蔵のショーケースの製造販売や工事をする企業。

昭和21年2月株式会社 東京都芝区芝浦に設立。

アンモニア式冷凍機を製造販売。
アイスクリーム製造装置などから始まった。

 

 

 

 

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 BSについて。

 

現金 260億円
受取手形及び売掛金 40 億円

投資有価証券 19億
少数株主持分 ▲15億

合計 304億

時価総額 400 億
自己株 ▲  175億

正味時価総額225億

現金価値よりも時価総額のほうが、下回っている企業。

企業価値はゼロ査定、マイナス評価。市場が正しいならば、この企業は赤字になるのだろう。

 

 

225/304 ≒ 0.74 若干ネットネットに届かない状態。

 

 

 

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PLについて。

減収減益がつづく。

内需に関わる事業のせいか、不景気時でも利益は確保している模様。

 

 

 

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キャッシュフロー構造は、組み立てや工事の事業のためか、設備投資を必要とあまりしないようだ。

 

 

 

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業績予測について。

過去五年を見ても、まったくもって業績は保守的。というか、真剣に数値設定してません 笑 こんなにひどい上方修正は見たことがない。

 

 

 

 最近開かれた、展示会についてもショーケース企業はでっかいブースを連ねているが、中野冷機は出展すらしていない。やる気なし。

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 そんな奥ゆかしい中野くんなのであるが、ここのところ、株主構成が変わってきた。

自社株が増えるごとに創業者族の社長等の持分を吸収し、とうとう社長も退任してしまったのである。なんでかな?

 

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最新の四季報では43%が自社株。創業者株式を買い取ったのだった。

創業者の色はすっかり抜けた。

 

んで。。。

 

カタリスト1

その後、会社から2/9付で経営陣よりいくつかの適時開示があった。

 

企業価値向上に向けた取り組みに関するお知らせ

 

・ コーポレート・ガバナンスの強化

・配当方針の変更(予想12円→100円。30%くらいにするよ)

アドバイザリー・ボードの設置

社外取締役の増員

・自己株式の適切な保有水準(MA不要の自己株は順次償却を明言)

 ・取締役報酬について業績連動報酬の採用

・中長期経営計画の策定

・ROE8%目標

・セグメント情報の開示

http://ke.kabupro.jp/tsp/20180209/140120180208467948.pdf

 

いずれもまともな会社への変革を期待するもので、評価したい。あらたなワンマン経営のリスクは低くなったと思われる。

企業再生の肝はまずはなによりガバナンスからであると言われるのでこの通りで進めば企業価値も高まるかもしれない。

 

カタリスト2

 

得意先セブンイレブンへの売上拡大の期待。

 以下が過去の納入実績、百分率は当社の売上高に占める割合。 有報より。


  

セブンイレブン 売上に対する割合
¥11,841,766 41.45%
¥21,552,611 52.76%
¥14,397,807 45.37%
¥24,473,786 56.31%
¥13,579,628 42.96% 



 セブンイレブンさまさまなのだ。 

セブンイレブン納入の競合は、サンデン富士電機。正直言って他社のほうが競争優位性が高いと思われる。

 

念のため、有報で開示されている他の情報もまとめておく。

 

  ショーケース 冷凍機 工事 合計
23 ¥13,264,444 ¥3,163,078 ¥12,141,295 ¥28,568,817
24 ¥20,349,780 ¥4,506,598 ¥15,994,789 ¥40,851,167
25 ¥14,970,640 ¥3,230,720 ¥13,533,147 ¥31,734,507
26 ¥23,875,772 ¥4,250,861 ¥15,335,871 ¥43,462,504
27 ¥15,464,037 ¥2,890,500 ¥13,252,170 ¥31,606,707

 

 

 

工事に関しては、改装工事やメンテナンスでストックの積み上がりが妄想できるが、数字に現れているようには見えない。

 

  

 環境は悪くはない。御存知の通り中食市場(人手不足→女性進出→時短食事。及び単身者、高齢者などなど)は拡大していてセブンイレブンのレイアウト変更はすでに始まっている。

 

以下の記事によると、

 

http://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20170531-OYT8T50042.html

 

 

 

2016年の中食市場は9.8兆円で前年比2.7%増加している。共働き世帯や単身世帯の増加、高齢化の進展などによって、自炊の手間を省く人が増え、中食市場が拡大している。

 

セブンでも16年の冷凍食品の売上高は、10年前の06年と比べ、実に4.7倍も増えた。中華まんや揚げ物などのカウンター商品も2.6倍増えている。

 

 セブンイレブンの直近の決算説明資料によれば、ショーケースのレイアウト変更、増設は今年度1900店 、2021年までには10000店を見込んでいる。

 

 

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見えるところの調査はこんなところである

 

 

 

 

 

転職サイトの記述も確認。

 

セブンイレブンとの取引がある限り安定した経営が続くと思います。またスーパーマーケットの新店出店が少なくても、店舗改装での受注がある程度あります。
しかしながら、ベテランと若手の年齢差が大きく人数も少ないので、技術者が育たない状況にあります。人材という点で成長は期待できないと思います。

 

 

確かに、持株会の持ち分も年々減ってきており士気の低下が予想される。

 

IRにも電話をした。

会社の強みを聞いてみたが、「まあ、他社さんとそんなに変わらないですけどねぇ」みたいなバリュー発言もあったけれど、3月中旬に機関投資家向け説明会を初めて開催するとのこと。

 

 

カタリストまとめ

・ネットネット銘柄である、割安すぎる

・創業者が退場

・配当方針、資本政策の変更、ガバナンスの強化

機関投資家の参入期待

・次回四季報から配当利回り記載がどーん

 

 リスク

工場は国内に1つだけで災害に弱い。→取引先に嫌われる

トップラインの低下傾向、一社依存の売上構造

高齢でもない大株主がなぜ離脱したのか

従業員持ち株会の比率が低下しており、士気が下がっている?

 

目標株価

EV/EVITの観点から、5倍と設定してみると

財産価値=280億で設定

事業価値=20億×5倍=ざっくり100億

 

合計380億円

 

保守的にこんなところを予想してみるがいかがでしょうか?

 

競合の確認

 

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